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オオカミの家のmimicotのレビュー・感想・評価

オオカミの家(2018年製作の映画)
4.8
圧倒されるほど感動して、終わっても直ぐに立ち上がれなかった。
ソフト化されたら買って隅々まで観たい。

"コロニア・ディグニダ"の映画と、Netflixのドキュメンタリーで予習をしておいて良かったです。抽象的な作品ですが、すーっと頭に入ってきて楽しむことが出来ました。

もしもカルト教団が子供向けプロパガンダアニメーションを作ったら...という想像の上を行く発想と、主人公が少女ということに、知的センスの良さを感じる。直接的に描く映画よりもずっと、主人公の不安や洗脳の恐ろしさが伝わってきました。

傑作としか言いようがない芸術的なストップモーションアニメ。あんなの見たことがない。
壁に生まれた絵が飛び出しては立体になり、しかし常にどこかが消え、または生まれたりと終始流動的。魔術的な怖可愛い描写に痺れた。そして、どれだけの時間を費やしたのだろう..と考えるだけで気が遠くなった。

更にはワンカット長回しの手ブレ映像がリアリティを生み出し、なんだかドキュメンタリーを観てるみたい...閉塞感ある空間の、霊魂が宿っていそうな佇まいにただただ圧倒され、劇場内に響き渡る不気味な音楽と相まって、異様な世界に引き摺り込まれたような不思議な体験をしました。

マリ〜ア〜
    マリ〜ア〜〜
頭から離れません
ゾッとするのに可愛くて、魅了してまやない作品。
mimicot

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