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オオカミの家のnaoyaのレビュー・感想・評価

オオカミの家(2018年製作の映画)
5.0
ストップモーションって、ただ1コマずつ細かく動かすだけのことだと思っていたけど、対象物を動かす過程すら画におさめることや、その過程で生じる実際の音と質感も捉えるというのが衝撃的だった。なんなんだこれは。

同時上映の「骨」から。約100年前の出土品にある日記(?)の内容を描いていた。設定からしてもう意味わからなくておもしろい。2人の人間を復活させる儀式を行うんだけど、その様子が残虐であり、コミカルでもあり、ときに「いまやっていること」が儀式であるという恐ろしい事実を忘れさせたりすることがすごい。

多分内容を一通り語ってしまっても、何を言ってるのかわからなくてネタバレにすらならないと思う。本当に何を言ってるのかわからない。

「オオカミの家」も化け物だった。内容的には、こっちは恍惚を感じるほどにメタファーがおり重なっていた。内容的には吐き気を感じるほどのものだけど、その扱い方で昇天させるほどのうまさがあった。ストップモーションという撮り方だけでなく、脚本や演出も神がかってる。すごいもの観てしまった。

夢のようだ、と表されるだろうとずっと思っていたけど、実際に参考のうちのひとつにはしているんじゃないかと思う。目玉という形で原型が現れたり、明らかに無意識の側にあるモチーフがよく用いられてる。かなりサイケデリックな映像体験だった。
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