kvartira

人間失格 太宰治と3人の女たちのkvartiraのネタバレレビュー・内容・結末

4.6

このレビューはネタバレを含みます

まず、色彩が良かったです。全体を通して光の効果が非常に上手く使われていたのではないかと思います。
また、音楽も素晴らしかったです。その直前の蘇生したような演出は蛇足のように感じたものの、「カナリア鳴く空」が太宰治に合うというのは新しい発見でした。

雪に吐血するシーンで、「日の丸の完成だ」という台詞まではありそうだけれど、「万歳でもしてみるか」はなかなか出てこないのではないかと思いました。

題材となっている「人間失格」は、上手下手でいうと、他に上手な作品はありますが、あのような力を持った小説は他にないのではないかと思います。数年に一度くらい読み返してしまいます。
kvartira

kvartira