たけげん

人間失格 太宰治と3人の女たちのたけげんのレビュー・感想・評価

4.2
人間は恋と革命をするために生まれてきた。だとすれば、太宰の周りの女たちは当たり前のことをしたまでで、太宰が恋と革命に溺れるのに対して少しの恐れがあったからこそ、彼は人間を失格したのだ。この映画では、太宰の周りの女たちの凄まじく綺麗な堕ち具合と、堕ちることへの恐怖心と少しの後悔から、ダラダラと蛇行しながら堕ちていく太宰が上手く描かれていた。蜷川実花監督の特徴でもある綺麗な色使いが本作にもよく表れていて、美しい映画だった。太宰のような、責任ということに対して中途半端な意識しかない男は、小栗旬にしか演じられない役だった。(良い意味でね。銀魂の坂田銀時役もそうでしょ。)とてもしっくりきて、良い演技だった。
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