如月カルラ

ジョジョ・ラビットの如月カルラのネタバレレビュー・内容・結末

ジョジョ・ラビット(2019年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

冒頭16分で監督が好きになれる。

最初はコミカルさが目立つが、しっかりと戦争映画だった。
子供の目線で描かれる戦争。小さい頃から戦争が日常にあるなら、まだ10歳の主人公がヒトラーに心酔してしまうのもわかる。
そんな中でもお母さん、女の子との交流を通し、自分の目で戦争を見て、疑問を持ち、最後には自分の中に根付いていた思想や信仰と決別していく。
最後は靴紐を1人で結べるまで成長した姿に涙した。

川辺でダンスをするお母さんの靴を見る目線と、吊るされたお母さんの靴を見る目線が一緒なのが……。楽しいことも辛いことも、どちらも子どもの目線で世界を見ている象徴的なシーン。
靴紐を結んであげられず、泣き縋るシーンは胸が苦しくなった。

キャプテンKが、最初はなんだか微妙だなぁ、なんか嫌な感じの人かなぁと思っていたら、とことんいい人でカッコよくて、ここでも苦しくなった。
子供達の可愛らしさ、無邪気さと、戦争の悲惨さとの対比がすごい。
人種差別もしっかり描きつつ、それを批判する面もしっかりと描いていて、悲惨なだけではなく考えさせられる戦争映画だった。
如月カルラ

如月カルラ