キットカットガール

ジョジョ・ラビットのキットカットガールのネタバレレビュー・内容・結末

ジョジョ・ラビット(2019年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

私は堅物で生真面目な為、いくらライトに明るい雰囲気で提供されても、正直笑う事は出来なかったし、ステレオタイプだと自覚しているけれど、カジュアルな戦争映画を中々好きにはなれないと本作を介し気がついた。(その為、本レビューはあまり参考にならないと思う。)

勿論、本作はただのコメディではないし、善悪をはっきりと描き、反ナチ運動をしていたドイツ人を扱っていたり、ナチスの子供を主役にし、その少年の心境の変化、信じるものへの懐疑、成長を丁寧に収めているのは個人的に良かったと思っている。
ただ、その分、戯けたヒトラーが姿を見せる度に奇妙さがあったけれど...。

本作に於いて、スカーレット・ヨハンソン演じる母親の存在は計り知れないと思う。欠かせない、重要なキャラクター。強さと明るさを兼ね備えた、唯一無二の、今までにはないタイプの母親像だった。魅力的な人間性と彼女の着ていた鮮やかな色彩の衣服が戦争という闇に光を与えていた。

加えて、主人公ジョジョが母親の脚を抱きしめるシーンは非常に心を動かされた。ローマン・グリフィン・デイビス君は本作がデビュー作らしいけれど、感情をぎゅっと溢れ出させる演技が素敵で良かった。

そして、一番圧倒されたのはユダヤ人エルサを演じたトーマサイン・マッケンジー。繊細で力強く、一つの表情から様々な秘められた心情を感じさせる、奥行きを見せてくれる女優さん。とても引き込まれた。今後の作品がとても楽しみ。

然し、一点だけ個人的にとても違和感を抱いた事がある。それは冒頭のThe BeatlesやラストのDavid Bowieなどの楽曲。ポップな印象を与えるけれど、あまりにも斬新すぎて、時代もかなり異なる為、意図が非常に気になった。

メモ
★衣装がどれも素敵だった。