ほのか

ジョジョ・ラビットのほのかのレビュー・感想・評価

ジョジョ・ラビット(2019年製作の映画)
4.6
拝啓 フォックスサーチライト様。
ジョジョとヨーキーの仲良しフィギュアをくださ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜い!!!!!!!!!

つよい言葉を吐き、人を殺せる武器を振り回しながらも、ふとした瞬間にまだこの子たちは幼児に毛が生えた程度の子どもなんだな…と、彼らの手の小ささや腕の短さやまだ少しムチっとした部分がある身体がわたしたちの視覚にビシビシと訴えてくる。ヨーキーほんまに可愛い………。






タイカが監督兼ヒトラー役で、共演にサムロとスカヨハ!?そんなんもう観る前に満点叩き出してるやん!!と思ったけど観たら、満点…どころの…話じゃねえッ……ってなる映画こと、ジョジョラビットさん…(さん…)
ひとの映し方がまあ〜〜〜〜〜〜きれい。バランスがよくてみやすくてわくわくする。しかもそれがまさか伏線だったとは思いもしなかったのでぶわっと泣いてしまった。直前に観たmellowのひとの撮り方が一辺倒でちょっと退屈だったからよりそれが突き刺さったなあ。

信じているもの。信じたいもの。すがりたいもの。疑いたくないもの。それらがひとの中に芽生えることは明らかに自分の外側からの影響が大きく、逆風であればあるほど貫くことが難しい。他人のそれに聞く耳を持つことを許さない人が人を牛耳る世の中で、それでもと「できることをすべてする」人たちが見せしめに淘汰されていく。
染まりやすく染めやすい子どもたちに憧れるように従うようにと意図的に大人たちに都合の良い感性を植えられてしまうことを面白おかしく描いていることが段々怖くなって目をそらしたくなってくると同時に映画で誇張されたものを客観的にみるからそうあってはいけないとより強く思う。
そんなものに心を支配されてはいけないと母は明るく諭す。母にも大事なものがある。それは息子であり、信念でもあるから矯正しようとはしない。けれどそれは本当に自分がみてふれて考えて信じると決めたことなの?声の大きな方へ、楽な方へ流されてはいけないよ、と辛抱強く言い聞かせる。
目の前にいる人をちゃんと見ることすらできず、大切にすることすらできずに、想像で人を貶し理想を語り人を嘲笑うことが恥ずかしいことだということに、10歳のジョジョは自ら気づくことができた。スクリーンのこっち側の私たちは?一旦止まって自分と周りの人と今起こっている事象を見つめ直すために私の心にはジョジョのお母さんにイマジナリーフレンドとして住んでいただこうと思う。





すべてを経験せよ 美も恐怖も生き続けよ 絶望が最後ではない