ジョジョ・ラビットのあわじゅんのネタバレレビュー・内容・結末

間違いない傑作です。
ジョジョ少年のなんと愛らしい事か。
スカヨハの母が何とかクールで熱い事か。

キャプテン.Kのなんと慈愛に満ちている事か。

ナチの映画に多いおどろおどろしい描写はあまりなく、悪魔的なヒトラーに主眼を置くこともなく、
敗戦濃厚の戦火の中、ドイツの普通の人びとはどんな思いで生きてきたのかが庶民目線で描かれているのが好ましい。

ジョジョ、ヨーキー、エルサの子役の好演に目を奪われがちだが、
印象に残るのはビビッドな色々合いにセピアをかけた映像の美しさ。

二人で自転車に乗る散歩道、親子で降りたパパとの思い出の河原、姉の部屋、ワインを飲むスカーレットの唇、そして何より母の白とワインのコンビのチップシューズ。

戦争の残酷さ悲しみを押さえぎみに描くストーリーと映像美が強いコントラストを醸し出し、じわじわと心に染み込んでくる。

戦争が終わり二人の前に新しい世界の扉が開いた。そんなエンディングは心憎いばかりです。