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ジョジョ・ラビット(2019年製作の映画)
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すべての事象が"ただの10歳の男の子"の認知できる限りの世界で語られるので、あの大人たちが今までどんな選択をし何を決断して生きてきたのかは知る由もない。子どもにとって大人はいつだって最大の未知の生物。
だけど、生き抜いた先にある自由に希望を持つことを繰り返し説く母親や、自己犠牲を決して肯定しないこの映画の中で生き抜くために"キャプテンK"になったであろう彼の選択と結末にワイティティ監督の「大人の役目とは、子どもを育てる過程の中で自分より善い人間となるよう導くこと」という願いと祈りと希求を何度もみた。この映画は少年少女らの成長物語である一方、子どもたちを守り抜いた強い大人たちのための物語でもある。

若くて無力で可愛くて勇敢な彼ら彼女らが、やがて悲しい時も嬉しい時もシャンパンを飲み、誰かを愛したり苦しめたり、モロッコへ行ったり虎と見つめ合ったりして、踊りながら生き続けてくれたらいい。いつかまた誰かの靴紐を結んであげられるように。
余談、ジョジョとヨーキーのハグのシーンで劇場全体から微笑ましい声があがっててすこぶる平穏でよかった。
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