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ジョジョ・ラビットのyukiのレビュー・感想・評価

ジョジョ・ラビット(2019年製作の映画)
4.9
世界観、画がすてきだなぁと見はじめて、どう話が展開するのだろうと引き込まれていった。

お母さん、ユダヤ人の少女、大佐、太っちょの友達。

主人公のまわりの人たちの素朴な魅力が、とてもよかった。
太っちょのこは、主人公と会うたびに、ひしってハグするのが、とてもかわいい笑

それぞれナチスの体制に、心酔していない、というか反対しているところがある人たちなんだけど。
それを英雄的に表すわけではないし、ナチスに心酔する主人公を批判するわけでもない。

ちょっとした瞬間に、その気持ちが表出して、究極の瞬間に捨て身の行動になる。
なんだかとてもリアルに感じた。

みんな揺れているし、訓練はどこか滑稽。
日常でゲシュタポが来る瞬間の怖さ。

戦時中って、ずっとはりつめているようなイメージを持っていたけれど。
案外こんなかんじだったのかもなぁと。
どんな状況であれ、日常は続いていくものね。

そして、靴紐がキーになるのは、そういうことかと。
軽やかな雰囲気のなかでの重さに、日常と隣り合わせの独裁や戦争を感じた。

この時代、このテーマで、ビートルズではじまり、ボウイで終わるのも印象的だなぁと思ったら、意味があるらしい。

そして、最後のリルケの詩(訳もとてもいい)。

すべてを経験せよ 
美も恐怖も 
生き続けよ 
絶望が最後ではない

もう一度見たい映画です。
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