世界観、画がすてきだなぁと見はじめて、どう話が展開するのだろうと引き込まれていった。
お母さん、ユダヤ人の少女、大佐、太っちょの友達。
主人公のまわりの人たちの素朴な魅力が、とてもよかった。
太っちょのこは、主人公と会うたびに、ひしってハグするのが、とてもかわいい笑
それぞれナチスの体制に、心酔していない、というか反対しているところがある人たちなんだけど。
それを英雄的に表すわけではないし、ナチスに心酔する主人公を批判するわけでもない。
ちょっとした瞬間に、その気持ちが表出して、究極の瞬間に捨て身の行動になる。
なんだかとてもリアルに感じた。
みんな揺れているし、訓練はどこか滑稽。
日常でゲシュタポが来る瞬間の怖さ。
戦時中って、ずっとはりつめているようなイメージを持っていたけれど。
案外こんなかんじだったのかもなぁと。
どんな状況であれ、日常は続いていくものね。
そして、靴紐がキーになるのは、そういうことかと。
軽やかな雰囲気のなかでの重さに、日常と隣り合わせの独裁や戦争を感じた。
この時代、このテーマで、ビートルズではじまり、ボウイで終わるのも印象的だなぁと思ったら、意味があるらしい。
そして、最後のリルケの詩(訳もとてもいい)。
すべてを経験せよ
美も恐怖も
生き続けよ
絶望が最後ではない
もう一度見たい映画です。