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クローゼットに閉じこめられた僕の奇想天外な旅のwacchiのレビュー・感想・評価

4.0
また素晴らしいインド映画を観た。

可愛い子には旅をさせよという映画かと思ったらそうではなかった。
旅が重要な要素にはなっているがそれは枝葉の話。

貧乏な時代を過ごした主人公は、裕福になり、好きな家具に囲まれて、更にはその家具を自分がデザインしたりプロデュースすることを夢見ていたのだろう。
ところが、パリへ渡った主人公はその後ひょんなことから大金を手にし、死を覚悟するようなトラブルに巻き込まれ、極貧の難民に夢を与えるという貴重な経験をすることになる。
そして、為すべきことを見つけるのだ。

好きなことを仕事にしたいと思い、その夢が叶う人は稀にいる。それはもちろん幸せなことだが、自分が為すべきことを見つけることはそれ以上に難しい。
死を意識したり、極貧の経験や難しい判断を重ねる経験などがないと、自らの価値観と為すべきことに気付くのは極めて難しいからだ。

ガンジーは
未来は「今、我々が何を為すか」にかかっている
という名言を残している。
コミカルな作風だが、この作品の根底にはガンジーの名言が宿っていた。

未来を担う若者に観て欲しいが、楽しい旅映画で終わってしまうのかな。
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