アカエリヒレアシシギ

新聞記者のアカエリヒレアシシギのレビュー・感想・評価

新聞記者(2019年製作の映画)
4.0
制作:スターサンズ
配給:イオンエンターテイメント

この映画に関する宣伝が、主要テレビで行われていないことが作品そのものに大きな意味を持たせる。

とても日本っぽくない映画。
世間話では、題材として用いられない「政治の話」を地上波ドラマで主演を務めるほどの大物俳優が演じるため、見やすい雰囲気がある。

また、一般的にはタブーとされているこの種の作品をインターネット社会の広告システムとここ数年の政治スキャンダル的要素を利用し、全国配給として展開しているのには制作者の強い意志を感じた。

また、スポーツ紙、週刊誌の不倫や浮気の記事を大々的に扱うワイドショーに躍らされるたくさんの国民に対して、新聞記者という職業を通して、我が国の問題の本質を見極めるべきとの視点もあるのか。

表面上はフィクションでありながら、登場人物やその題材、参院選前にという公開時期も相まって、鑑賞中にここ数年の政治スキャンダルを想起させるような仕組みもあり、ノンフィクション的につくるという目的があるのではとも感じた。

いまはスマホで誰もが発信すること、拡散することもできる。
いわば、1人ひとりがメディアであり、そこにジャーナリズム精神を持ち続けることを訴えかけられているような気持ちになった。