Mizuki

新聞記者のMizukiのネタバレレビュー・内容・結末

新聞記者(2019年製作の映画)
4.6

このレビューはネタバレを含みます

テレビや新聞など公的な機関でしか自分の意見をニュースを発信できなかった時代が終わり、民衆が自分の意見を、SNSを通じて自由に発言できるようになった時代。様々な意見が飛び交いかつてより自由な時代に向かうことが出来るのかもしれない。そんな幻想的な考えに向かって現状をリアルに突きつけている。情報操作がこんなにも簡単に出来てしまうのかと。今世の中に溢れている真実はこんなにも簡単に作れてしまうものなのかと。同調圧力が強い日本で1つの真実を潰して、見せかけの事実を作りあげられる様をじっくりと丁寧に見せられる。
自分の仕事と家族を背負っている父親たちが組織に立ち向かうことの薔薇すぎる道。
何も出来ないことを悔やんでも悔やみきれない家族。誰をみていても救いがなくて悲しくなる。けどこれが日本の現状なんだと思う。
見せなかったエンディングのその後に何があったのかは想像出来るけど、受け入れたく未来だと思う。その未来を迎える人が1人でも少なくなってほしいと思った。
現代の日本の政治を、民衆を悲しいほどに鮮明に描いているこの映画がヒットしている事こそが、今の日本の国民が何を望んでいるかの証拠になっているのかも知れないと思った。
シムウンギョンの演技を始めて見たけど、さすが韓流女優。演技が群を抜いている。韓流映画と韓流ドラマが日本に比べて遥かに世界と戦えるのだということをこの一作でもとても感じた。
今同時期に公開されている超大型エンターテイメントの作品たちと比べると大衆性は全然ないけど、見るか迷っている人がいたら是非観て欲しいと思えた。
Mizuki

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