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屍人荘の殺人のmaiのレビュー・感想・評価

屍人荘の殺人(2019年製作の映画)
3.4
うーん…うーん…。
映画自体は楽しめたけれど、これって物語としてアリなの?と思わずにはいられませんでした。

映画として楽しめたというのは、ひとえに役者の方々のコミカルな演技のおかげです。あとは、すごく可愛い衣装や装飾も良かったです。
ゾンビとの戦いのシーンなど、若干のテンポの悪さがありました(早く逃げろ!というのはゾンビ映画にはつきものですが、それがこの映画はかなりためにためまくります。見せ方としてはありなんだろうけど、もう早く!とイライラしてしまいました。笑)が、キャラ同士の会話やかけあいなんかは軽快で見てて面白かったです。
そしてなんと言っても、主役の神木くんと浜辺美波さんの魅力がすごい…中村倫也は出オチ?すぎて見せ場も何もなく退場していったのが勿体ないです。でも原作がある作品なので、まぁ仕方ないのかな…。
神木隆之介のへなちょこ感とコミカルさが良かったし、浜辺美波はとにもかくにも可愛さ全開で、ちょっと厨二病入ってるのか?っていうようなあざとい演技も全然余裕です。滑舌が少しゆるいのがこれからの課題な気もしますが…!

この作品の設定が「ゾンビ」というかなりのぶっ飛びなので、どう評価したらいいんだろう?という感じなのですが、誰が何のためにウイルスを撒き散らしたのか?には全く言及されてない(ミステリーとして解決はされない)ので、結局のところ「ペンションでの殺人の犯人は?」を重視するわけです。しかし、そのミステリー部分がかなり弱いです。
原作もあるし〜とミステリーとしての完成度を期待したのですが、結局のところは神木隆之介と浜辺美波が演じるキャラ推しの一言に尽きます。ミステリーとしては、うーんと思わずにはいられません。
意外性があるわけでもなく、何かびっくりするようなサプライズがあるわけでもなく。理由も、どこかで聞いたことのあるような(というか、何となく途中で想像がついてしまう)ものでした。
かといってラストに何かスッキリするような、腑に落ちるようなシーンがあるかといえば…それもないですし。

なので、神木隆之介とか浜辺美波出てるんだ〜観てみようかなくらいの気持ちなら全然楽しめるのですが、ミステリーとしては何だかスッキリもしないような展開で「なんだろう…このもやっと感」となってしまいました。

せっかく人気の原作を引っ張ってきたのに、結局のところアイドル映画のような体裁になってしまっていて…もったいないです。
mai

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