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ギレルモ・デル・トロのピノッキオのAPlaceInTheSunのレビュー・感想・評価

4.3

ピノッキオあんまり詳しくなく、ディズニー版すらしっかり見た事ない程度。
ぼんやりしたイメージではピノッキオがついつい嘘をついて鼻がニョキニョキ伸びてしまう、本当の人間の子にいつか成れるのか?というのがメインテーマだった記憶

今作はそんな教条的な主題というより、家族に愛されたいピュアで切ないな子供の心が描かれている。
それに加えて、第二次世界大戦前のイタリアにじわじわと忍び寄るムッソリーニのファシスト党、全体主義・軍国主義の恐怖を盛り込む。
そのあたりギレルモ・デル・トロの独自性が出せている。

いちばん興味深かったのは、ピノキオが何度死んでも、また生き返るという設定。
あの死生観は何処から来ているのだろうか。デル・トロの出身地メキシコには「リメンバー・ミー」辺り観ると独自の死生観があったが。
「まどかマギカ」のキューベーを想起したりも。

デル・トロ印のホラー感は抑えめに、ミュージカルベースのこのピノッキオは今年のNetflix配信作品の中でも屈指の良作でした。
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