ちゃくろねこ

ギレルモ・デル・トロのピノッキオのちゃくろねこのレビュー・感想・評価

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ストップモーションアニメでこれだけの長編って、気が遠くなる作業ですね。なんとも味わいがあって良きですが。
「子どもたちが遊びの国で堕落してロバに変えられる」という有名なエピソードを、「子どもたちが軍国主義により右傾化して自ら戦争に突き進む」に改変したのは、巧すぎて唸りました。さすがデル・トロ監督。どちらも子どもにとっては、楽しくて暴力的でいられる場所から一転、恐怖のどん底へ落とされるわけですが、後者のほうがより一層大人の責任の重さも感じさせられます。
最後には小さく弱き者たちに救いが訪れる、ピノキオの話とデル・トロ監督の相性は良かったですね。

声優については、ユアン・マクレガーは声に特徴があるので、聞いてて(あぁユアン・マクレガーだな…)となって、私はノイズに感じてしまいました。その点ゼメキス版の、いい意味でクセのない、でも表現力豊かだったJGLのほうが好きでした。
あとケイト・ブランシェットの猿は確かにお上手だし、こんな台詞?をオスカー女優が⁉という驚きはあるけど、それこそ駆け出しの若手とか無名のベテランとかに、機会を譲るべきでは?とは思いました。彼らのレジュメに猿の声優とはいえデル・トロと仕事したって書けるやん…
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