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ギレルモ・デル・トロのピノッキオのmizukiのレビュー・感想・評価

4.7
深い悲しみを呪いに変える?替える?ことで前を向ける人がいるよなって思った。悲しみが怒り混じりの悲しみに変わって、呪いに替えて、呪う呪う呪う…。呪うことで少し納得できるなら、解決法としては自己完結なので、実はこの世で生きていく上で人の人生を邪魔しない優しい方法だと思う。ピノッキオの父親が直接的・間接的に呪った人間が死んでいく様が心地よかった。金のためにピノッキオと猿の善意を利用しまくるやつ(人形使い、でもないなんなの?あいつ)と、戦争のために余裕で息子の命を晒す父親。深く関わったわけでもないのに人から呪われるような行いをする人間は、人間性に問題があるからこっちが裁こうなどと思わなくても自分で勝手に死ぬ。人を大事にできてないやつはこの世から蹴落とされる。この世は人と生きるしかないから。人を大事にして生きていたらピンチの時に思いがけず手を差し伸べられたり、もちろんこちらも誰かのピンチの時は手を差し伸べたり、そうやって人は支え合って生きているはず。この映画の最低な二人は、そのような支え合いを経験せずに死んでいったんでしょうね。人と共に生きることの良さ、知ってほしかったなあ。

嘘ってダメなの?と思いながら観ていたけど、大事な人を守るための優しい嘘もちゃんと描かれていた。
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