さーすぃ

行き止まりの世界に生まれてのさーすぃのレビュー・感想・評価

4.2
この映画を観て思ったことは、人は「愛されたい」、「自分を認めて欲しい」と思っているのだなということだ。
3人の主人公皆に共通しているのは、幼少期に虐待やネグレクトを受け、愛されなかったということ。その結果が似た境遇の仲間と集まって慰め合うでもなくただそういう世界から逃れて安全に過ごすということだと思う。逆に言えば、愛されなかったからこそ愛し方もわからないのだと思う。実際ザックは嫁に暴力を振るってしまった。マズローの欲求階層説を昔倫理で勉強したけど、まさにその通りだなって思った。
彼らは皆自分を変えたいと思っているし、実際に行動もしているから心から尊敬できた。学がないことを自虐していたけど、私よりよっぽど思っていることを明確に筋道たてて言葉で表現できるし、人生という物語を自分たちで創っているし、薄っぺらな自分が恥ずかしくなるくらい立派だと思った。
当事者のリューさんじゃなきゃこんなに心の深いところまで掘り下げた映画を制作できなかっただろう。彼らが今幸せだと思える人生を歩めていたら、嬉しいな。
さーすぃ

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