行き止まりの世界に生まれてのShingoのレビュー・感想・評価

あまりドキュメンタリーは観たことないが、これはすごい。ホームビデオから始まった撮影が、そのまま12年間のドキュメンタリーとなった作品。
閉塞感やトラウマを抱えた個人のストーリーと、貧困や暴力の連鎖といった社会問題が、もはや二本の映画を見せられた感覚になるほど、絶妙に描かれている。監督が当事者であるからこそ、俯瞰ではなく水平の視点で描いてるように感じられるのが良いんだろう。
ただ、「行き止まりの世界に生まれて」っていう邦題は微妙じゃないかな。この映画を単純化してしまう恣意性がもったいない。