たなかたか

スウィング・キッズのたなかたかのレビュー・感想・評価

スウィング・キッズ(2018年製作の映画)
4.5
軽い気持ちで観に行ったら度肝を抜かれた。

坊主の韓国人がみれるしダンスとかそういうの見るの好きやし
ポスターかわいいし楽しみだ!とウキウキ気分
でもあらすじを読むと
戦争ものだった
ハッピーじゃなさそう うーん
ウエストサイドストーリーくらいの暗さかなと思っていた

しかし始まるとそんな暗くなかった。
時代や舞台は戦時中で全体的に土臭いが
コメディ要素が強くストーリーもわりとミュージカルらしく
トントン進んでいった。(そうだ!踊って解決しよう!みたいなノリ)
戦時中ってこんなもんなの?!と驚いたがギャグがふつうに面白くて
めっちゃ笑ったしヒロインと主人公のやりとりが
幼くてキュンキュンした
シリアスといっても
人民としての誇りと純粋な芸術への好奇心の葛藤ぐらいかなあ
予想よりグロくない 友達と楽しくみれるレベルだ
あ~おもしれ~無表情でなまめかしいダンスを踊る小太りの中国人
おもしれ~~



思っていたのだが・・・!!
中盤からのエンジンのかかり具合が半端ない
序盤も楽しく魅せ場もいっぱいあったが
まったく違う映画をみてる気分になった

この時代をなかったことにしてはいけない
という強い意思を感じた

多分作ろうと思えばエンターテイメント作品のままエンディングを
迎えられたと思う
しかし違った。
序盤私はエンターテイメントの要素としてダンスを
扱っていたと思った。(もちろんその要素は少なからずともあるとおもう)
でも映画をみていくうちに踊ることは
救い 祈り すがるもの 平等なもの
に受け取れた。
消えていく両親、自分たちの家、恋人、人権
何もかも儚い時代だったけど
ダンスをする5人はいつだって
夢中になって楽しそうに踊ってた。
その様子がすごく心に染みた。


メインキャラ全員にとても愛着沸いてたので
めっちゃ泣いた