WestRiver

スウィング・キッズのWestRiverのレビュー・感想・評価

スウィング・キッズ(2018年製作の映画)
3.9
凄く話題になっていたので、鑑賞しましたが、いや確かにこれは良い!
年間ベスト映画に恐らくランクインするような最高の映画でした。

時は朝鮮戦争下、アメリカ軍の捕虜となった北朝鮮の人々(反抗分子)は、巨済島という島の収容所に収容されていました。

本作はその収容所に収容されている北朝鮮の青年です。
彼は、収容所で働く黒人がタップダンスを練習しているところを目撃し、次第にタップダンスに魅了されていきます。

本作が素晴らしかった点は、ただの明るい青春ダンス映画!に留まっていなかったところです。
イデオロギーとの葛藤というテーマをもたらしていて、アメリカ軍と北朝鮮反抗分子の緊迫した関係性もきちんと描写しています。
つまり、主人公の基本的なスタンスは反米です。憎き資本主義なわけです。
しかし、そんなアメリカの文化に魅了されてしまいそうになり、主人公の心は揺らぎます。同志達の意志を裏切ってしまう事になる。それでもいいのかと......

タップダンスのシーンはどれも圧巻でした。カット割がとても気持ちよく、観てる方も思わず身体を動かしたくなりますね。

アメリカ憎めども文化は憎めず。
文化(特にこの場合音楽・踊り)は人種・国・思想を超えて人々を同じ方向に向かせてくれる力があります。
どんな性格悪い人間でも笑顔にさせる力があります。
だから、絶対に絶やしてはいけないんです。

音楽が好きな人間として、それを強く感じました。
WestRiver

WestRiver