けーはち

デジモンアドベンチャー ぼくらのウォーゲーム!のけーはちのレビュー・感想・評価

3.8
「デジモン」って言ってみりゃ「ポケモン」みたいなものだけど、「戦うたまごっち」というコンセプトでバンダイが出した電脳世界のモンスターということらしい。本作は細田守の初期監督作で、クオリティの高さから業界の内外より注目を集め、『サマーウォーズ』の原型とも言われる。構成はいたってシンプルで、突然変異で生まれた新種のデジモンが、ものすごい勢いでデータを喰いまくることで社会があちこちで混乱をきたす。挙句、核ミサイルが起動され、着弾まで10分の間、ヤツを倒さねばならない──という40分の尺に詰め込まれた王道的なタイムリミットサスペンス&アクション。核が起爆するまで10分というリミットが設定される終盤はほぼリアルタイムで進行し緊迫感を強調する。ポケモンよりゴテゴテして今いちアピールに欠ける点はコロコロに対するボンボンというか(喩えが解りづらい)、二番手感は否めないものの、デジタルの存在でありつつ社会生活に影響する、という特色が作劇に大きく絡んでいる点はやっぱり面白い。