mellow

天気の子のmellowのネタバレレビュー・内容・結末

天気の子(2019年製作の映画)
4.7

このレビューはネタバレを含みます

新海誠IMAX映画祭にて、初鑑賞。
いや〜〜めっちゃ好みだった……。
一緒に観た友人(鑑賞済み)から、いわゆるメリバで、『君の名は。』ほど万人受けする作品ではないとは聞いてた。
でも予想以上に深海監督っぽくないというか、本当に『君の名は。』の人?!ってなって驚いた。
そしてあまりにも自分好みの展開が続くので、興奮が止まらなかった。

最初、帆高がためらいなく風俗店の求人に応募することや、陽菜がお金のためといって水商売をしようとしたりすること、そしてそれを妨害してゴメンと謝る帆高に違和感があった。
新海監督の感覚がズレてるのかとすら思った。
でも、それらが子どもゆえの思慮の浅さを表現しているんだと気づいて、監督スゲー。疑ってすみません。の気持ちになった。

あと、須賀さんと夏美さんの関係も、結局ただの親戚同士でよかったー。
須賀さんは妻に一途といいつつ遊んでるじゃん…って思ったけど。タバコも吸ってたし。
帆高に自分を重ねる不安定な大人ってことか。

夏美さんは本当に好き。本田翼ちゃんピッタリ。
よく覚えてないけど、猫の鳴き真似をするところがかわいすぎた。
新海監督は夏美さんみたいなお姉さんキャラ好きそう。主人公を「少年」って呼びそうな感じが。ていうか夏美さん呼んでたかもしれん。

あとはほんとに、メリバというか、「当人たちは楽しそうだが、客観的に見たら破滅に向かっている」という感じが好きすぎた。
まず帆高くんが須賀さんの事務所で働くことになって、「今日から新しい日々が始まる!」みたいな活気あるシーンで、見上げた空が思いっきり曇天なのが…笑
もう、行く先の不穏さを示しているように感じた。

特に好きなのが、帆高、陽菜、凪の3人でラブホに入り、捕まるところだったなー!と笑いころげるシーン。
状況は全然好転していないのに、とにかく楽しそう。
そして、陽菜の「帆高は、晴れてほしい?」という問いに対し、「うん。」と何気なく答える帆高。
ほんとにみんな子どもで、どうしようもなく最高。

そして、帆高が再び拳銃を使ってしまうシーンで、ようやく歌詞付きで流れだす主題歌。確信犯すぎる。
その後、警察に連れていかれる帆高くんが、陽菜が自分より年下だったと知るシーンも、本当にぐっときた。
子どもを世話する子ども……。当人たちは楽しそうでも、やっぱり失うものが多すぎる。

本当に全体的にすばらしかったけど、終わり方がかなりハッピー寄りだったのが、個人的に好みでなかった。
たしかに世界の形は変わってしまったけど、みんなそれなりにうまくいっている感じで。
メイン2人の生死を曖昧にするとか、もっとその路線のまま描ききってもよかったのではないかと思った。

でも、陽菜はちゃんと教育を受けられるようになってよかった。
無鉄砲な子どもたちによる物語が、なんとか当人たちだけでも幸せに帰着できて、やっぱりこれでよかったのかな。
いい映画というか、好きな映画でした。
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