Lemmy

天気の子のLemmyのレビュー・感想・評価

天気の子(2019年製作の映画)
3.2
前作の『君の名は。』と物語の構造的には変化がない。
①不可思議な現象の発生(入替わり/晴れ)と2人の運命的な出会い。②それが別の運命につながっている(隕石/人柱)。③その運命に抗うために冒険が始まる。④それが終わると、2人は一定期間会えない。


そして『崖の上のポニョ』へのオマージュ?対抗? ポニョのラストで、津波の水が引いていないことが想起される。水浸しの世界が続く。

猛烈な愛のために世界は変わるわけだが、それはリセットされない。見知らぬ誰かによる影響でも私たちはそれを否応なく引き受ける。否応無く。それが「愛」の名であるなら、私たちは無償の愛を主体的ではなく、根源的な受動性のもとで、その到来に立ち会うのみなのかも。

ただ、前作同様に「巫女」にこだわるのはなんだろうか。女性に神的なものを付与するってのは、近代化へ向けての魔女狩りに行き着くんだけど、それにたいするナイーブさが気になる。
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