8.1_大泉#1
世界とセカイの共存
いきなり比較論で始めてしまうが、君の名は。よりも物語に入り込めて断然楽しめた。余韻もよかった。その理由は、
①(前作の二人に比べて)帆高と陽菜はこの「世界」に本当に居場所がなく、「セカイ」に逃げ込むしかなかった。セカイ系を描く必然性が高い物語設定。
②そしてそのセカイ系を(前作のように)万人向けにチューニングすることなく、(良くも悪くも)何も足さず何も引かずに晒してくれた。そもそもセカイ系って何?から知りたいおじさんには、このほうが分かりやすかった。
③更にそれを客観的に見る須賀さんら大人が、大人の観客にとっての道標(感情移入先)として機能(前作の大人は物語に都合のいいモブ)。おかげでセカイの海で漂流してしまうこともなかった。
あれだけヒットした前作との対比構造を敢えて取った姿勢には感服だ。世界とセカイの共存を描く意味でこの構造が必要だったと思う。また、私がなぜ前作が好きでないのかも良く分かった。
残念だったのは、画角がビスタサイズだったこと。IMAXにお客を誘導したかったのかな?これはシネスコで観たかった。