このレビューはネタバレを含みます
ストーリーも設定もわからず、評判でラストがイマイチだということしか知らずに観に行ったせいか、正直楽しめた。
ラスト、賛否両論らしいけど自分としては良かったと思う。周囲の思惑やしがらみなんて考えるの大人になってからでいいんじゃない?
年取って後悔することになったとしても、ああいう利己的な行動は若いうちしかできないし。そんなにも人を好きになれる青さが羨ましいとさえ思った。
こんなこと言ったらおしまいだけど、所詮フィクションの世界。周囲のことを考えて行動していたら、ストーリーはすすまないし面白くもない。どうすればよかったのか、と議論されるなら映画としては大成功なんじゃないかと。
大人になると、あきらめる理由を探すことに慣れてしまう。こんなことしたら周りに迷惑がかかるんじゃないかとか、世界のが大切なんじゃないかとか、他人のせいにして。
だから、いいのだ。若いうちは。
人間はたくましい。10年も経てば環境の変化にもなれて、それが当たり前になって、適応していくんだ。
もちろん家をなくした人もいることは忘れてはいけないけれど。
だけど、フィクションの中くらいいいじゃないか。そんなもの忘れて、思い切り自分と好きな人のことだけ考えれば。
と、そんなことを思いながら観ていた。
自分には陽菜を選ぶ勇気が持てるのかな。世界を敵に回してでも助けたいと思えるのかな。
ラスト、陽菜が祈っているのを見て心が震えた。もう晴れにする力もなにもないただの女の子。それでも願わずにはいられない。一生その罪と戦わなくてはいけないんだろうなあ。
ただ、この雨こそが地球にとっての治癒であるなら、いつかはやむだろう。きっと美しい青空が見えるはずだ。
この映画は、とにかく映像が美しかった。水に対するしつこいまでのこだわりも感じた。とてもリアルだった。
もう一回観たいと思った。
ただ残念なところも少なからずあった。
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