あつお

2分の1の魔法のあつおのネタバレレビュー・内容・結末

2分の1の魔法(2020年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

今、目の前にある幸せに気づく話。
主人公は幼くして父を亡くしたイアンとバーリ兄弟。ある日、亡き父からの誕生日プレゼントとして、死者を蘇らせる魔法の杖を貰う。魔力が不十分なためか、自身の魔法に動転したためか、イアンは中途半端にしか魔法が使えず、愛する父の下半身だけが復活した状態に。タイムリミットは24時間。愛する父の完全復活に向けて、冒険に飛び出すのでした。
ところがイアンは根っから自信がない状態。なりたい自分の理想像を紙に描くも、すぐにその理想像とのギャップに自信をなくす。理想像を実際に書き出すのは良いが、目標が高すぎるのか。自尊心が低すぎるのか。冒険は失敗に終わったかのように思えた。人は物事が上手く進まない時、他人のせいにする。兄弟は仲違いしてしまう…
イアンは残された時間を、足だけの父でも大切に過ごそうと海辺へ向かう。そこで、父との「やりたいことリスト」を見返す。そこで、イアンは気付いたのだ。自分が描いた理想の姿、真に幸せな時間は、既に兄弟の間に生じていたのだと。父復活を願って共に行動したその時間こそが宝物なのだと。
人間は今の自分に満足できないと、そこにある豊かな経験にも気づくことが出来ない。今ある一瞬一瞬を思い切り楽しみたいと思います。
あつお

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