cham

2分の1の魔法のchamのレビュー・感想・評価

2分の1の魔法(2020年製作の映画)
4.5
幼い頃に亡くなったお父さんに一目会いたいと願いながらも、目の前にいる互いを陰ながら思いあう2人の兄弟。自分の力で前に進めない内気で臆病な弟と、強引なくらいスーパーポジティブなお兄ちゃん、この2人の関係性の行きつく先が素敵でシンプルに泣けてしまった。
もちろん涙を誘う話だけでなく、時代が進み魔法を使うことをしなくなってしまった人々、街には多様な生き物が共存しているけどみんな社会の流れに染まりどこか荒れている。今の自分たちとどこか重なる世界がこの映画には広がっていた。
ファンタジーの世界に住んでいる人々が便利さを手に入れて魔法を使うことを忘れてしまったという設定が、人間らしくて親近感を覚えた。彼らも一筋縄ではいかない社会に生きてるんだなと思うと、なんだか微笑ましくもあり切なくもあり。
これから先、不安も大きく未来がどう進んでいくかわからないけど、前に踏み出していく目に見えない魔法をを忘れずに生きていこう。
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