もの語りたがり屋

黒い司法 0%からの奇跡のもの語りたがり屋のレビュー・感想・評価

黒い司法 0%からの奇跡(2019年製作の映画)
4.8
法や権力はなんのためにあるのか

何が真実なのかは当事者にしか分からないかもしれないが、こんなことがまかり通るなら人が生まれ存在する意味はなんなのか。本作は事実に基づく映画だ。

そこまで話題になっていた印象はなかったが、レビューサイトでの高評価が気になって鑑賞。

2時間超の長編なのに冒頭は前日譚もまったくなくいきなりの逮捕。この後どんな展開になるのかと思っていたが、想像を超える肉厚な物語が待っていた。

クライマックスに向けても一筋縄ではいかない流れで、何度も心を揺さぶられ、気づいたら涙がこぼれ落ちていた。これは不朽の名作となりそう。

現代に蔓延る差別や格差の問題。法や権力は一体何を守っているんだろう。

いち人間としてそこまでして他人の人生を簡単に踏みにじれてしまう動機はなんだろう。そんなことまでして利益やメンツにすがるのか。なんでこんなことになってしまうのか到底理解できない。

最後の法廷や会見の言葉は胸にぐさりと刺さる。