なり

黒い司法 0%からの奇跡のなりのレビュー・感想・評価

黒い司法 0%からの奇跡(2019年製作の映画)
4.0
黒人差別と裁判の様子を真摯に描いていた。
最初は助長かなと思ったけれど、どんどん引き込まれていって後半は一気に物語が進んでいく印象。
ただ弁護士が奮闘するだけではなく、囚人側も葛藤があったり家族の支えだったり、そして周りの人間の変化もあったり、総合的に描かれていたと思う。

現在でもこの活動が行われていることから過去の話ではなく今も残る問題の根深さを感じるとともに、日本も他人事ではないなと思った。
詳細は覚えてないけれど、日本でも再審請求が棄却された次の日に死刑が執行されたり、少年犯罪では前科などから弁護も十分にないまま家裁に送られたり、真っ白で中立的な司法とは言い切れないので、時々怖くなることがある。
人種による差別はアメリカに比べると日本は小さいかもしれないが、根本的な部分として司法における差別や警察の威信を守るための犠牲は少なからず通じているのだろうなと思う。

過去から今までずっと活動を続けている方々に拍手を送りたくなる作品だった。

P/P
なり

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