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21ブリッジのmasakaのネタバレレビュー・内容・結末

21ブリッジ(2019年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

犯人射殺数の多さで査問会にかけられるほど苛烈な刑事アンドレは、ある夜警官7人を射殺した強盗事件の操作に駆り出されます。

殺人、ましてや警官殺しなんて予定にもなかった展開に怯えながら逃げる犯人達。
復讐に燃える85分署の署長と警官達。
犯人を追うアンドレと麻薬捜査班のフランキーの即席コンビ。
三者の思惑が交錯する中で明らかになっていく隠された裏事情...


捻った展開はあるものの、ストーリー自体は分かりやすく、伏線もかなりあからさまに配置されているので、この手のジャンルが好きならかなり序盤で「裏事情」は察知できてしまいます。

だけど、それがまた緊迫感を生んで、観てる方はドキドキする。いつ、アンドレがそれに気づくのか、と。
また、登場人物達に裏事情が仄めかされるのはかなり中盤以降になってからなので、そこまでの犯人追跡劇と緩急がついて中弛みしません。
分かりやすい、ある意味定番のストーリーを逆手に取った上手い演出だと思います。

不満は、シエナ・ミラー演じるフランキーが全然活躍しなかった事かな。
序盤でFBI相手に有能っぽいところは見せるけど、その後はただアンドレにくっついて回るだけ。もうちょっと役に立つところを見せて欲しかった。
どっからどう見ても有能には見えない。

あと、FBIの捜査官が空気。
やけに偉そうというか、キャラ立ってたのに...


チャドウィック・ボーズマン演じるアンドレは犯人を憎み、射殺を躊躇わない苛烈さを持ちながらも公平な目線を持ち、根底には優しさがある孤独な刑事をとてもリアルに感じさせてくれました。
こんなにスクリーンで存在感を感じる人なのに、もういないってどうしてなんだろう?
映画を観てる間も、見終わった後も、不思議でなりません。
R.I.P. Chadwick Boseman
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