Brynhildr38

21ブリッジのBrynhildr38のレビュー・感想・評価

21ブリッジ(2019年製作の映画)
3.5
コンパクトで切なさ残る佳作。
警察官8名を殺害した麻薬強盗事件の犯人を逮捕するため、マンハッタン島と外部を結ぶ21の橋を封鎖して、逃走を続ける犯人を捕らえようとするクライム・アクション映画。

一つ一つは既視感のあるエピソードだが、緊迫感のあるシリアスな展開でカーチェイスや銃撃戦などのアクションはリアリティあって本格的。また心理描写も無いためストーリーはシンプルで、進むにつれて主人公と犯人達が味わう違和感を共に深めていくことになる。

そして、それぞれの背景を知ると、許されることではないが、何とも切なくやるせない。

キャストは、気品とカリスマ性に溢れるチャドウィック・ボーズマン演じる冷静沈着で鋭い観察眼を持つアンドレ・デイビス刑事、本当は滅茶苦茶美しいシエナ・ミラー演じる仕事できるけどちょっと疲れたおばさん麻薬捜査官フランキー・バーンズ、J・K・シモンズ演じるマッケナ署長は雰囲気あり過ぎで出てくるだけであなたは悪徳警官側でしょ?と思わせる。

気になったこととして、逃走中の犯人追い詰めるところで相棒のバーンズはいつ地下鉄に乗ったのさ? あと、日本の場合「レインボーブリッジ封鎖出来ません」となるのに、ニューヨークでは市長がOKなら何の問題も無いのかな? ちなみに、マンハッタンって結構広くて山手線の内側相当で人口も160万人いるから封鎖しても犯人は簡単には見つからないと思う。

ただ、この作品が主演俳優の闘病中に撮影され、その彼がもうこの世に居ないと言うことを思うとなんとも言えない喪失感を覚える。
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