しお

火口のふたりのしおのネタバレレビュー・内容・結末

火口のふたり(2019年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

ふたりの生々しい会話にずるずると引き込まれました。
直子の「もう東京はいやだなあ」というつぶやきには、
賢治に東京での暮らしを思い出させる役割がしっかり込められていましたね。

付き合っていた日々を呼び起こすシーンが何度もあり、観ている側はそのたびに邪推をする。誰にも入り込めないふたりだけの世界を覗き見している感覚でした。

母親になるために結婚という道を選んだ直子は、女として死ぬまでに最後にもう一度咲いてみたかったのかな。(なので最後30分のくだりがあまり好きではなかった…きれいに5日間で終わって富士山噴火のない世界だったら、直子がきっちり女としての死を受け入れられたように思うから)

性欲に勝てない人間の話だなあというのは否定できませんでしたが、10年後にでも観たら私も共感できるようになるのでしょうか。
しお

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