さすらいの旅人

AI崩壊のさすらいの旅人のレビュー・感想・評価

AI崩壊(2020年製作の映画)
3.3
AIの反乱と監視社会の恐怖を描くSF映画。WOWOW録画鑑賞。

豪華キャスト出演と巨額の製作費をかけ、医療用AIの反乱を描く近未来型SF大作。
物語の流れは基本的にはAI開発者と警察との追跡劇だ。しかも冤罪が起因。
正直、冤罪については映画を面白くするための無理やり感が強く、強引だった。
詳細は避けるが開発者が逃げる理由はないと私は考える。そのため開発者に共感できず、最後までモヤモヤした気持を払拭できなかった。

本作の近未来の医療用のAIは、個人情報を把握し健康管理までこなす。このAIのサーバーデザインが機械らしくないデザインで面白かった。まるで、50年代の米国SF映画に出て来るようなレトロな感じなのだ。また、そのレンズの目は「2001年宇宙の旅」の反乱コンピュータの目に似ていた。もしかして、オマージュ?

本作で感心したのは、警察が使用するAIだ。監視カメラや民衆の携帯等を利用し、顔認証や体形等を基に開発者を画面映像だけで追う。しかも、小型ドローン活用も凄い。昔ながらの足で追う刑事は時代遅れの邪魔者として描かれている。
この警察AIこそ個人監視世界を予想する未来の恐怖と私は思う。

大沢たかおや三浦友和、岩田剛典など多数出演し、それなりの演技はしたと思う。しかし、いずれも存在感のある強烈な人物になり得なかったのが唯一の心残りである。