竹野康治郎

ヒトラーVS.ピカソ 奪われた名画のゆくえの竹野康治郎のレビュー・感想・評価

3.4
身近にあるお話ではないので、美術の授業を受けているような映画でした。ナチス党のヒトラーが数多くの美術品を略奪し、なお行方不明の作品は数多くある中で、それを追跡する者。その過去と今を交錯させながら進んでいきます。

一度は聞いたことがある題名にもあるピカソやフェルメールなどもたくさん出てきます。ここで感じたのは「芸術は文化であり、それは人の歴史を示すもの」ということです。

作者が何を残し、何を今に伝えようとしたのか、そういった歴史をヒトラーはすべて奪っていった。その国や人がもつ歴史そのものを奪うという行為が恐ろしく感じました。命はもちろん、根こそぎ持っていく感じが当時のヒトラーの怖さを増長させたと。

ピカソは「壁にを飾るために描くのではない、絵は盾にも矛にもなる、戦うためのの手段」と残しており、タイトルにもある「ヒトラーvsピカソ」はこの言葉とヒトラーの行為を表現したものかなと思いました。決して、2人が直接対決するわけではないので、ご理解いただければと思います。

私は美術に造詣があるわけではないですが、新しい世界を知れたという意味では美術に歴史に興味がある方は見てみてはいかがでしょうか?

2019年公開作品 49本目
竹野康治郎

竹野康治郎