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ザ・マミーの福福吉吉のレビュー・感想・評価

ザ・マミー(2017年製作の映画)
3.5
◆あらすじ◆
メキシコのある町では度々、ギャングに人がさらわれ行方不明になることがあった。エストレアは学校で銃声に晒され、帰宅させられるが、自宅には母がいなかった。学校で教師から貰った3つの願いが叶うチョークでエストレアは母の帰還を願うと、その夜、エストレアは母の声と共に不可解な出来事に遭遇する。エストレアはシャイネたち孤児のグループに身を寄せるが...。

◆感想◆
母が行方不明になった少女エストレアがシャイネたち孤児のグループとともにギャングの蔓延る町の中で必死に生きていく姿を描いており、ホラー要素を上手く組み込んだ人間ドラマとなっています。

本作はとにかく背景となっているメキシコの過酷な現状がストーリーに嫌というほど絡みついており、人の殺害や拉致が日常茶飯事で警察もあてにできない治安の悪さに強烈な印象を受けました。

少女エストレアは母と共に暮らす学生でしたが、母が行方不明になり孤児となり、少年シャイネたち孤児のグループに身を寄せるのですが、この状況が既に過酷過ぎて、ホラーより現実の方が怖いという感じでした。

そして、エストレアの暮らす町に跋扈するギャング集団のフアスカスの一員、カコが殺されれます。殺される前にカコから拳銃とスマートフォンをシャイネが盗んでいたこと、そしてシャイネがエストレアにカコを殺すように命じたことによりストーリーが大きく変化していきます。エストレアとシャイネの心情の移り変わりが本作の見どころだと思います。

ホラー要素として、エストレアが母の声と共に不気味な人物を見るようになり、エストレアに度々、母らしき声が命令します。怖さとしてはあまり無いですが、この経緯がラストにしっかり繋がっていて面白いと思いました。

メキシコの過酷な現状の中で孤児たちが生きる姿がとても心に痛く感じました。ホラー映画として観ると的外れに感じますが孤児たちをめぐるドラマとしてなかなか面白かったと思います。

鑑賞日:2024年1月9日
鑑賞方法:Amazon Prime Video
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