映画のポスターの煽り文句は全く信用ならないということを示す典型例。どう考えてもホラーではない。が、なるほど確かにギレルモ・デル・トロが好きそう。暗いおとぎ話のような幻想と惨憺たる現実の見事な融合。南米だからというのもあるけど、マジックリアリズムと結びつけたくなる。終盤の展開は文字通り鳥肌もの。
固定カメラで良さそうなシーンも頑なに手持ちカメラで撮影されていて、映像の微妙なゆらぎがそのまま登場人物の不安な心情や平穏とは言い難い社会情勢とリンクしてくるのは素直に良かった。まあ的外れな解釈かもしれないけど。
