未体験ゾーンの映画たち2019にて鑑賞。
全く期待していなかったけれど、思わぬ拾い物だった!
地球上空に現れた謎のワームホール。その正体を探るべく奮闘する、宇宙開発機構の人々を描いたフェイクドキュメンタリー・・・をベースとしたSFサスペンス。
前半は関係者と事象を紹介するフェイクドキュメンタリーがダラダラと続き、正直なところあまり嵌まらず。しかし、フェイクドキュメンタリーの形式は継続しつつも、『インターステラー』的なSFサスペンスの色合いが強まる後半は、先読みの出来ない展開に魅せられ、グイグイと映画へ惹き込まれた。
『インターステラー』的なサスペンスフルな展開は、予算の都合もあるのかサクッと終わるのだけど、そこから今度は『メッセージ』的な「宇宙人とのファーストコンタクト」の物語が、ラストに至るまで繰り広げられる。そしてこの内容が良かった!
宇宙人とのファーストコンタクトから、現代社会にも通じる人間の本質に迫る視点が個人的には好き。単なる御高説に終わるかと思いきや、最後の最後にSF的な語り口で踏み込んだ描写があることも素晴らしい。
色々な映画のモンタージュのような作品ではあるので、好き嫌いは分かれ易いとは思うけれど、個人的には好きな映画でした。
ハズレは多いけれど、今作のような「個人的にはストライク」な尖った映画に出会えることも、未体験ゾーンの良いところ。気になる方はぜひ。