taominicoco

クーリエ:最高機密の運び屋のtaominicocoのレビュー・感想・評価

4.5
先週観た作品。

米旧ソの冷戦下にあった「キューバ危機」を救ったという、実在の人物グレヴィル・ウィンをカンバーバッチが演じた本作。
演技はもう、保証つき!
マネージャーでもない私が約束します笑

体重の増減はどうしたんだろう……。
激痩せの身体に特殊メイクをしたのか、短期間で調整したのか。
どちらにせよ役との親和がすごくて文句つけようがなかった。


あと、音楽が面白かったんです。

カンバーバッチ演じたウィンは、最初は情報スパイに全然乗り気じゃなかった。
ビジネスのついでだし仕方なく…みたいな雰囲気を昭和歌謡のようなBGMが盛り上げてました。

あのBGMが聞けなくなって、事態が深刻になりつつあるんだなとすぐに感じられました。劇盤の妙も感じられた作品だったかも。


ウィンは何度も旧ソ連を訪れているうちに、ソ連側の内通者・オレグとも親しくなり少しずつ、自分の置かれている状況を自覚していきますーー。

そう、自覚が芽生える過程が繊細に神経質すぎるぐらいしっかり表現されていて、私は大満足でした。

また、スパイのウィンと内通者オレグの間に友情のような感情が芽生える姿は、韓国映画『工作 黒金星と呼ばれた男』がよぎる。

あちらも実話。
危険なミッションを共有していると、特別な感情が沸くんだろうなと想像していた。


そこからの彼らが信頼を確かめ合ったシーン。ネタバレになるので詳しく書けませんが、泣いて泣いてどうしようもなかった。

「キューバ危機」も学校の社会の授業で丸暗記したワード。
裏に漢たちのこんな壮絶な生き様があったなんて。感動しない訳がない。

エンドロールでご本人のインタビュー映像が流れますが、気の良いセールスマンって感じで、過酷な拘束を乗り越えたようには全然見えなかったなぁ。

それがの彼の強さなんだろうと思い、ただただ尊敬でした。
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