キューバ危機。
米ソ冷戦が第三次大戦に発展するかもしれなかった歴史的緊張状態。
その裏側で繰り広げられた諜報活動におけるキーマン、グレヴィル・ウィンにフォーカスした史実に基づくスパイサスペンス。
スパイが主人公といってもジェームズ・ボンドとかイーサン・ハントとかアクション満載のアレじゃないです。
地味に地道に人知れず情報を抜き取る。
攻めも守りもアナログな当時の環境を想像するのに十分なリアリティ。
これはこれでめっちゃハラハラします。
責任感が強く友情に厚い民間人。
国に都合よく利用された民間人。
どっちも本当なのかな。
世界平和という大義名分に翻弄されてランナーズハイみたいになって少しずつブレーキがぶっ壊れていったように見えました。
ベネカンの演技が真に迫るほど悲しい。
何度か出てくる感動を誘う演出は蛇足。
そういうのマジでいらない。
美談で処理して欲しくない。
作り手も受け手も覚悟を持って向き合うべき題材だと思います。