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クーリエ:最高機密の運び屋のNobのレビュー・感想・評価

4.0
歴史に隠された秘話。まさに事実は小説より奇なり!緊迫した中でも家族や友情を忘れない人間味溢れる姿をカンバーバッチが熱演。

キューバ危機の詳細は知らなくても楽しめる巧みな脚本。重厚な作劇も見応えがあり実話の重みを感じる。それ故に悲劇的な結末は避け得ないのだが…。それにしても、10キロ近く減量し痩せ細ったカンバーバッチの役者魂が凄まじい。

そして何より素晴らしかったのが、亡命作戦渦中のボリショイ劇場での「白鳥の湖」を鑑賞するシーンだ。チャイコフスキーの楽曲が高鳴る中、白鳥が天に昇るシーンと二人のカットバックがサスペンスを最高潮に醸成している。

銃撃戦やカーチェイスもなく、007やM:Iシリーズとは対象的な作品と言えるが、こういう風格あるスパイサスペンスも中々味わい深くて好み。
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