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Neighbouring Sounds(英題)のsonozyのレビュー・感想・評価

Neighbouring Sounds(英題)(2012年製作の映画)
3.5
『バクラウ』のクレベール・メンドンサ・フィリオ監督の最初の劇場公開作。ブラジルの中流階級が暮らすレシフェのとある地区の物語。

1.番犬、2.夜警、3.ボディガード の3部構成。

地区の物件の半分以上を所有している裕福な男フランシスコ。
その孫で不動産エージェントのジョアンはソフィアと付き合いはじめたが、ある日駐車していた彼女の車からカーオーディオが盗まれ、いとこのディーニョの仕業に違いないと問い詰めに行く。

聡明そうな子供が2人いて中国語の家庭教師が来て様子を眺めてると邪魔ですと注意されてる主婦ビア。
夫のいびきと夜通し吠えてる隣家の番犬の鳴き声で眠れず、睡眠薬を肉で巻いて犬に投げたり、超音波が出る無駄吠え防止装置買ってきたり(笑)、タバコの煙を吐くときに掃除機に吸わせたり、水の配達人からドラッグを買ったり、洗濯機の揺れをバイブ代わりに使ったり、楽しませてくれます。

そして、その地区の治安悪化の防犯対策で夜7時〜朝7時までストリートを警備するサービスを住民たちに売り込み仲間と3人で夜警を始めるクルドアルド。その後兄も加わり警備メンバーは4人となる。

フランシスコの姪の誕生日パーティーで盛り上がる夜、彼はクルドアルド(と兄)を家に呼び、ボディガードの男が死んでしまったので、代わりにやらないかと話を持ちかけるが・・

タイトル通り『Neighboring Sound』(その界隈の環境音)などサウンド・デザインが秀逸。

オープニングのブラジルの過去のモノクロ写真。
富裕層(フランシスコ、ジョアン、ディーニョ)、中流層(ビア一家)、下層(メイドたち、クルドアルドたち)という階層構造。
ジャケ写はソフィアが暮らしていた場所に立つジョアンと2人ですが、遠くに見える高級マンション、再開発地区、その間に挟まれたバラックが並ぶエリア。
といった格差社会の見せ方も上手かった。

MUBI
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