豚肉丸

Neighbouring Sounds(英題)の豚肉丸のレビュー・感想・評価

Neighbouring Sounds(英題)(2012年製作の映画)
4.3
ブラジルの集合住宅街に新しい警備会社が入ってきたことをきっかけに周囲に亀裂が走るようになるお話

まさに最近マンションに引っ越ししたからこそ本作で描かれる集合住宅の「音」の問題が身近に感じられて笑っちゃった。
『バクラウ』の監督と聞いて納得。群像劇スタイルで様々な人物によって出来事の一つ一つが交差したり絡みあったりする様が描かれるが、一つの警備会社が入ってきたことによりう不安や動揺が広まっていく流れが面白い。そのエピソードの一つ一つの積み方や見せ方がかなりシュールなのだがショットが上手くて自然と見入ってしまう。各登場人物がそれぞれバラバラに行動しながらもある一つの対象(犬、ボールなど)のイメージが交差するのは群像劇ならではだし、まさに集合住宅というテーマが効いていて良い。

ただ、あまりにもバラけすぎて散逸になっているようには感じた。一つ一つのエピソードがシュールで心地良いのはいいが、結局内容が掴み難い...
だけど時折挟まる突然のホラー的な演出が素晴らしくて驚く。滝が血の雨に変わる場面はインパクトが強いが、セックスしている男女の背後にカメラがフォーカスするとドアフレームから男が通り過ぎるあの場面は、定番のホラー映画演出が明らかに変な場面で使われていてちょっと笑ってしまった。
『バクラウ』ぐらいのバチバチにキマった群像劇ではないものの、かなりシュールで印象的な群像劇だったので面白かった!
豚肉丸

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