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ラヴィ・ド・ボエームのktyのレビュー・感想・評価

ラヴィ・ド・ボエーム(1992年製作の映画)
5.0
パリで貧乏な芸術家の中年男三人組が助け合う。『俺たちの旅』を吉祥寺からパリに移して熟成したと言うと大げさかな?

ちょっとした場面でも琴線に触れる仕掛けがある。役者の表情、予期せぬ展開、劇伴、何気ない動き、犬、バンドの演奏、部屋の家具の配置、風景の挿し込み、料理、煙、影、豊かさ、貧しさ、愛情表現、友情、季節の移り変わり、引用、転用など、それらの仕掛けが、退屈しないように、絶妙な順番で配置されている。

仕掛けの配置の底流に作品の本質が横たわり、
その受け取り方は観客に委ねられる。
自分はその本質を非情と受け取りましたが、いろんな受け取り方があっていいと思います。

カウリスマキ作品の魅力が凝縮されたかのようです🙂
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