ラヴィ・ド・ボエームの作品情報・感想・評価

「ラヴィ・ド・ボエーム」に投稿された感想・評価

Gaku

Gakuの感想・評価

4.0
貧困芸術家3人組の奇妙な暮らし。中でも恋人ミミに対して名言なのか迷言なのか分からないがクールな言葉を放ちまくる画家ロドルフォが印象的。マッティペロンパーは何演じててもハマるし、映える。喜びや哀しみ、苦しみを経験・共有しながら築き上げた友情や愛情はお金に勝るし、お金では買えない。いざと言う時には大切な物を売ってまでも仲間を助ける男達の勇ましさにやられた。
ntm723

ntm723の感想・評価

4.0
マッティペロンパーってフランス語喋れるの?!いつもより表情豊かで言葉数も多い役やった。1回だけ見せる優しい笑顔がたまらんかったな。
それにしてもほんとにここはパリかと思うぐらいアキカウリスマキワールド全開。監督はフランス語分からんらしいのに、すごい大胆な映画撮るなー。
だんだん悲しい展開になってはいくけど、偶然出会ったお金のない芸術家3人の友情に感動。

なお、ロドルフォの財布を掏ったあの手は監督の手らしい。
ヒナ子

ヒナ子の感想・評価

3.8
貧乏3人組、お金はないけど愛はある。根拠はないけど、お前は窓の外を眺めているだけでいいだなんて、俺について来いなんてフリをして。守りたいのに不器用で、それでも花は知らずに枯れてしまうから。貧しさは愛では補えきれない?
ropi

ropiの感想・評価

4.6
カウリスマキ監督作の中でも今作は設定、キャラクター、テンポ、絶妙なWordセンスがダントツで好き。友達がくれたトルコのスリッパ、双頭のマスをベアルネーズソースと共に食すところがお気に入り。黒ワンコも名脇役。アルバニア人で画家役のペロンパーと絵のコレクター役のjpレオーとの不思議なやり取り。高英夫の「雪の降る街を」が沁みた。
さすがに自粛生活もだんだん疲れてきて、その上体調もイマイチなので、何だかモヤモヤ。。

そんな時は!!
アキ・カウリスマキ先生に頼るしかない!

というわけで。
今日は、一気に制覇しないように、すこーしずつ、すこーしずつ、大切に観ているアキ・カウリスマキ作品からこちら♪
(大好きなマッティがいっぱい出てる〜)


やっぱり、この監督の作品に漂う独特の世界観。何というか、マイペースで感情抑えめ、根拠のない自信、、いつものヤツ!

タイトルの"ラヴィ・ド・ボエーム"は、直訳すると「ボヘミアンのような生活」。
その名の通り、ひょんなことから出会った3人の芸術家(作家・画家・音楽家)達の何ともボヘミアン(自由奔放)な日々を描く。
この3人が、なんとも言えないとぼけた味わいで、やってる事ははちゃめちゃなのに
何故か憎めない。。

観た後に知ったが、プッチーニの有名なオペラ "ラ・ボエーム"と同じく、アンリ・ミュルジェールの"ボヘミアン生活の情景"を原作としているという。
相変わらず、シェイクスピアのハムレットだの、ドストエフスキーの罪と罰等と同様、題材は手堅いね!

主な登場人物は、
*小説家 マルセル
(アンドレ・ウィルム)
*画家 ロドルフォ
(マッティ・ペロンパー)
*音楽家 ショナール
(カリ・ヴァーナネン)

ここに、ロドルフォと恋仲になるミミ(イヴリーヌ・ディディ)ともう一人が加わって、くっついたり離れたり、食べる物も事欠くほど貧しくも、ささやかに愉快な日々を送るのであったが、、

まぁ、見事に皆売れない芸術家であるのだが、ひょっこり現れた客にロドルフォの絵が奇跡的に売れたり、マルセルが新聞王に雇われて、一時的にお金が入ったり。
でも、お金が入ったらすぐなくなっちゃうのがカウリスマキ流。
派手に使ったり、落としたり、失くしたり、、笑
とりあえず、お金がない時にすぐ賭け事に頼るのはやめよう!…と思ったら今回は勝つんかい!

そんなエピソードの中に、サミュエル・フラーやルイ・マル、ジャン=ピエール・レオ等のカメオ出演があり、カウリスマキ監督の交友の広さを知る。
いやぁ、何とも豪華すぎる♪(詳しくはネタバレ・コメント欄参照)

好きなシーンは、、
ロドルフォが描いている絵を「誰の肖像画だ?」と聞かれて「母だ。」と答えるシーン(絶対違うやろ!笑)。
また、ロドルフォがミミにコーヒーを淹れてあげようとするが切らしていて、代わりにスープを作るのだが、その具が、、⁉︎なシーン(絶対あかんヤツ!)。
男は我慢できるけれど、女性にとって貧しいのはかわいそうだから、皆でたまにはピクニックやショッピングに行こう!となるシーンが、本当に幸せに溢れていて、、大好き♡
ショナールのハイライト!変な前衛的な曲を聴かされた仲間達のドン引き具合、、笑



そんな感じで、散々カウリスマキ節に笑わされたそれからの先の展開は、、



本当にどうしようもなく悲しくて切ないのだけれど、何故かものすごく温かいものも感じて、
その余韻がじわーーっと来て、、


何とも言えない気持ちにさせられた。



悲しいけど、ずっとずっと心に残る、そんな作品。

マッティ・ペロンパーの後ろ姿が忘れられない。。


カウリスマキ観て元気を出そうと思ったのに、とっても切なくてしんみりしてしまったよ。。





*個人的MEMO
シェーンベルグ
ランボー
ヴェルレーヌ

アンドレ・ウィルム、イヴリーヌ・ディディ
→ル・アーブルの靴みがき
カリ・ヴァーナネン
→浮き雲
芸術家志望の貧乏三人組のパリでの共同生活を描きます。ユーモアたっぷり皮肉をきかせてラストは悲しみいっぱいになります。「雪の降る街を」が妙に響きまさちね。エスパー魔美を思い出さずにはいられません。ジャン=ピエール・レオの使い方が最高でしたよ。砂糖工場の社長が絵画に目覚めます。
芸術の都、パリ…のド底辺で3人の貧乏芸術家(画家・作家・作曲家)が意気投合し、話の面白車輪が序盤から爆速で回転するおはなし。

3人の神がかった連携、何食わぬ顔で張るハッタリ、必ず被害に遭うジャン・ピエール・レオ、ぎゅうぎゅうの三輪自動車がもう可笑しくてしようがない。起こる度に大笑いした。

もちろん彼らに降り注ぐ危機は山のように積もるのだが、大体の事は上記の可笑しいもので解決されていく。
…間違った。解決されて解決破棄されていく。これがまたおもしろい。

貧乏性だけど愛情と友情は必ずあり、いつも可笑しく、時おり小粋。そんな3人がとてもとてもとても愛おしかった。



だからこそ、映画は切なくて哀しい。堪らなく哀しい。
美しすぎる花が枯れる様子はやっぱり見ていられない。

振り返らざる男の背中に、雪の降るまちを。
春はやってくると信じたい。
原作の設定は知らないが、少なくともプッチーニのオペラでは1830年代に設定されている『ラ・ボエーム』、カウリスマキの本作ではミミがロドルフォに言う「リノ・ヴァンチュラに似ていて格好良いわ」なんてセリフから想像するに1950〜60年代だろうか。シャンゼリゼ通りには車が行き交う。プッチーニでは若き登場人物が華やかなパリを舞台に将来の夢を語り合うようなロマンティックかつ甘美なものになっていたけれど、カウリスマキは冴えなく薄ら汚い中年のロドルフォ、マルセルにショナール、そしてこちらもいかにもくたびれた中年女のミミを造形した。恐らくカウリスマキは敢えてプッチーニの逆を行ったのだろう(「オペラは死んだ芸術だ」との劇中セリフからもその辺りが伺われる)。

なるほど、ここにはプッチーニ版には感じられないプライドだけは高い貧乏芸術家の自意識やらイタさ、そこから醸し出される悲喜劇的なエモーションとユーモアがそこかしこに漂っていて、これはいかにもカウリスマキの資質にマッチしていて素晴らしい。特に男3人のそこはかとなくあからさまには出ては来ない同胞意識。なんか染みますね。と同時にカウリスマキ的な荒唐無稽さも炸裂、あっという間の金策成功やら国外追放になったロドルフォの嘘みたいなパリ帰還劇など思わず笑ってしまう。後者は『ダウン・バイ・ロー』のあの傑作脱獄シーンを思い出すが、そう言えばジャームッシュが慕っていたサミュエル・フラーが本作にカメオ出演しているではないの(あの去り際の「Son of a bitch」は最高)。カウリスマキ、ジャームッシュ、フラーが繋がった瞬間。最後の「雪の降る町を」の不意打ちは知ってはいたけど面食らう。悲しいシーンなのになんか笑えるこのペーソス。レオーの無表情な滑稽さも良い。
Kt

Ktの感想・評価

4.5
マッティのファッションが最高、ぱりっとしたシャツに太めのパンツ、おニューのはもちろん、バーバリーも革ジャンもイケてる!ネクタイじゃなくてスカーフなのも良い、、、ちっちゃいスカーフ革ジャン合わせは愛しのタチアナでもマッティがやってた〜!

書き溜めてきた詩集を燃やして暖をとるシーン、愛を感じる、

パラダイスの夕暮れとおんなじようなシーンがあって、そこが、もうたまらなく最高でした、あのショットは反則
シップを貼った時に、じわぁーと沁みるインドメタシンのような映画だった。

偶然知り合った芸術家3人の困窮した暮らしを独特のタッチで描く。

家賃滞納でアパートの立ち退き命令を出された作家が、レストランで意気投合した画家を連れて帰宅すると、次の住人である音楽家がそこにいて、顔を合わせる3人。

売れない芸術家達だが情熱はある。
情熱はあるが金はない。
それぞれ恋人ができるが金はない。

芸術の街パリを舞台にしているが、美しさや洒落た雰囲気はなく、薄暗い街の薄汚れたアパートに哀愁が漂う。

惨めな貧乏生活の中で、それぞれが芸術に向き合い、日の目を見る日が来ることを信じている。

前半は、陽の当たらない場所でもがく悲しき男たちの物語だったが、それぞれ恋人ができてからの展開がとても良かった。

「男は毎日ボロを着ても落ち込んだりしないが、女はドレス1枚に歓喜する」

金のない芸術家達は、恋人にひもじい思いをさせないように最大限の幸福を与える。ピクニックのシーンは風光明媚な景色で、陽の当たる場所に幸福が溢れていた。

書き溜めたポエムで暖をとる場面がグッときた。とにかく女性に対して優しい。金はないけど愛がある男と、幸福を考える女。悲劇に向かう物語の中に、なんとも言えない切なさと温もりがあった。

エンディングで流れ出した日本語に違和感を覚えたのはほんの一瞬だった。「雪の降るまちを」が物語と妙にマッチしていて、しっくりきた。
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