「ラヴィ・ド・ボエーム」に投稿された感想・評価

国や人間が変わればドラマも変わるといった具合に、フランスを舞台にしたためか他の作品と比べると喜怒哀楽などの様々な感情は、重ねて混ぜ合わせるでなく細かく刻んで炒めたような印象で、一つのシーンの中で笑える瞬間と切なく胸が締め付けられるような瞬間とが交互に訪れ、ドラマを楽しみながら感情の波が行ったり来たり寄せては返し、画面の向こうの虚構の世界なのにいつの間にやら一緒にタバコをふかして空間を共有しているような、そんな独特で素敵な映画体験だった。

金銭や生活に対しては無頓着で芸術に対しても中途半端だが、友情に対しては真摯なルーザートリオの山あり谷あり。
夢も挫折もゆるゆるな生温さで教訓めいたものもなく、パンチ力抜群な笑い所と泣き所が映画と言う娯楽だから、ではなく人生とはそういうもんだ、とばかりな自然さで叙情的。
無表情と省略は通常運転ながらも、孤独ではなく仲間と恋人がいるからか台詞も多く自分を表現するという丁寧さがストレートに笑えて泣ける。
もっとドライでもいいんだけどなぁと思いながらもたまらなく愛おしい傑作。最高です。

今作のカメオはルイ・マルとサミュエル・フラー。いい役といい味。
今まで観たカウリスマキの中で1番贅沢で完成度が高いように感じた。そして1番好きかもしれない。DVD手に入れたい、しっとりしたいときのために。
今日は「揺れる大地」をみてしっとり気分だったのでさらにしっとりしたくてこれを選んで正解でした。底なしの泥沼のような不幸、貧乏がよぶ不幸、不幸が不幸をよぶ。この感じがたまらない、ずっしりとしているのに教訓めいてなくてすき。
贅沢っていうのは、マッティペロンパーとアンドレウィルムとジャンピエールレオが共演してるから!!この3人三人ともヘンテコな脱力感で画面を食べちゃうのでもう贅沢でした。ほんと、カウリスマキはヘンテコな顔をピックアップするのがうまい。
設定からしてすき、作家と画家と作曲家3人が集まってしまうさすがパリ。いいな〜わたしもそんな出会いしてみたい、パリは特別な街だ。

マッティペロンパーの深い低音の声がかっこよすぎる…!ばりばりびりびりしてる。
毎度のことではあるが、その中でもこの作品は特に登場人物たちの「潔さ」が可笑しくて哀しい。カウリスマキの作り出すこのえぐみのニュアンスがちょうど好き。定期的にきちゃう。
不幸の連続。悲しい。切ない。
でも不思議と観終わったとき、人生に希望が持てる。
因果関係を全て描くことがない、またその時間を省くことのうまさ。人生はそういうものじゃない。
画家、作家、作曲家の貧乏3人組の友情と画家のロドルフォと彼女の切ない恋のお話。
貧乏は心も生活も苦しいよ…
ロドルフォは彼女が居てくれるだけで良かったんだよね。
彼女には結局綺麗な花を渡せなかった…。物悲しい雰囲気と彼女の困った様な表情がまた悲しくさせるなぁ。
EDの曲が「雪の降る街を」で驚きました。日本語なのに合っていたよ

このレビューはネタバレを含みます

花束が・・・
カウリスマキは本当にはずれがない。ぶきっちょな俳優も好き。
いいなぁ、心地いい。
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