「ときどき考えるんだよね、そういう密度の濃い、凝縮された時間っていうのがたまに、突然やってくるの。なんていうか、自分が物語の中にいるみたいな。でもその密度がどれくらい濃いのか、リアルタイムではあんまりはっきりしなくて、後からしかわからなくて、いつ訪れるのか、どれくらい濃いのか、全然予測できないの。ただね、それは、その後の人生に確実に影響する」
・お城、顔、歌、合言葉、声
テクストのすべてが何かの比喩にも思えるし、テクストのすべてがそれそのものにも思える
・本当にこれは稽古を積み重ねたものなのか、逆転させているのだとしたら というか、どうしてそれを信じることができてしまっているのか、という、このこと
・演じる者は台本を読んでいるから、自分がいない場面で起こっていることを知っている
・テクストを読む私を演技する カメラの前ではすべてが「演技」になる
・「カット」がかかってからの一瞬の顔
・演劇・映画は語られていないものを見せる
・演劇は一回観ただけではわからない 執拗な反復によって演劇はできあがるから
「「何者でもないものが、そこに立ちあがったとき」が、「理想の状態」なのかなと私は思います」
(小田香×草野なつか×小森はるか「理想の瞬間はなかなか訪れない」文學界12月号)