トラディショナル

王国(あるいはその家について)のトラディショナルのレビュー・感想・評価

4.2
絵上手い人が線を重ねてスケッチするように、同じ言葉をもってして見えないものを形にしようとすることについてのドキュメンタリー。どれもぴったりではないけれど、どれもが少しずつ聖なる中心(=王国)をかすめていくその感覚を体験する密度の高い150分。

試みとしてだけではなく、メタな視点で見つめられる物語自体もそれぞれの心や関係性に横たわる言葉にならない場所に迫っていき、しまいにはそれにたどり着けない神秘さを大切にするところがこの作品のすごいところ。