ネギの子供

アスのネギの子供のレビュー・感想・評価

アス(2019年製作の映画)
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現代の金ない若者には響きませんわい!なんなら僕がUSのほう

2022年8月25日追記
「ノープ」準備で3年ぶり再見。ここにメモっていたことも忘れていた。そして内容にも驚く。その一言の適当さ加減もそうだけど、今回は格差社会のメタファーを読み取る気にもなってなかった。たった3年で見方がずいぶん変わってるし、公開当時の空気感もそう読み取ることを助けていたんだろうか。状況は何も変わってないから、まったく意識しなくなる自分の慣れが一番怖いな。
「ゲット・アウト」と同じくジョーダン・ピールは2回目になるとどうも面白くない。彼らが「私たち」とわかってから、ずいぶん引っ張るから展開がたるいよ!後半も普通のゾンビ映画のように観てしまった。
ジョーダン・ピールの映画は、人に期待するとことごとく裏切られる。そのドライ(で笑える)まなざしが今の社会を反映した現代映画として、甘っちょろくもなってない。皮肉の効き方がちょうどいいんだと思う。死んでほしい人はちゃんと退場するから安心するけど、生き残った主人公は何か負の遺産を背負わされている感覚。状況だけ見ると観客が期待するエンドなのに、決してハッピーじゃない。この塩梅の作り方がうまい。ゆえなのか、いま作られるべき映画として「プロミシング・ヤング・ウーマン」みたいな突き抜け方はしない。一線越えたら立ち直れないけど、そっちも観たいような観たくないようなという期待がある。