あまり原恵一にこういうのは求めてないんだけど。本人も別に乗り気じゃなさそうだし。
面白い映画ではないけど、嫌うほどでもないから要するに中途半端なんだろうな、失敗作として。丸尾みほ脚本とそもそも相性良くないんじゃないか。原恵一は自分で書いたやつの方が遥かに良いよ。現実世界で生き辛いと感じてる女の子が異世界へ行ってどうたらこうたら、とファンタジーの王道なんだけど、それ以上でも以下でもないっていう。特段新しいものがある訳でもなく。まず現実世界で抱えてる問題と異世界で起きている問題があまり関係なくて、どうしてわざわざ異世界行ってまで成長しなきゃいけないのか謎。単純に学校の友人関係なぞ外の世界を見ちゃえばちっぽけに感じるよ、とかその程度の気づきなら海外旅行で十分じゃないの。叔母のチィちゃんがいる意味もあんま感じないな。意味としては主人公と対照的な彼女がいる事で変化を促すとかそういう事なんだろうけど、その決定的な瞬間もあんま無いし。「前のめりのイカリ」があるからその役割って正直いらないんだよね。異世界の設定も現実世界と「よく似た世界」って事なんであまり見てて面白くない。だって現実世界とよく似てるんだもん。現実世界に戻って来た二人のダウナーな雰囲気は良い。確かに現実戻って来たらめっちゃダルいと思う。イリヤ氏のキャラデザも女の子は良いけどそれ以外は特に。ただお母さんは凄え可愛い。それが最高の加点ポイント。ラスト数カットのお母さんの視点とか良いんだよな。というかお母さん関連の部分はブランコとか含め全部良いかも。なんだそのバランス。
