よーぴ

家族ゲームのよーぴのレビュー・感想・評価

家族ゲーム(1983年製作の映画)
4.4
とにかくこの映画は「食べる」という行為の異様さを執拗に映し出す。一列に並んだ食卓で、目の前の料理をただただ貪る。なんだか分からないけど怖い。目の前の欲望に気を取られて、全く周りにいる人に関心を向けない。

「できてしまった」子供の世話に生活を削られる母親の「私もジャズダンスしたかったなぁ〜」には、『レボリューショナリーロード』に通ずる恐ろしさがあった。この両親は、どちらも子供を「義務」としてしか捉えていない。人生に必ずついてくる義務。いつかは産まなければならないもの。

この家庭の問題の根本は何なのか、それは明示されないが、人間って小さいことの積み重ねで狂っていくんだなと感じさせる一本。

家庭内秩序が崩壊していく様を、極めて映画的に見せるあのショットを見るだけでも価値がある!!

何回も見返したい。
よーぴ

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